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ヌルデ:樹皮-02(樹液) [▲樹木]

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【撮影:2014年6月22日】
22 June 2014
Rhus javanica var. chinensis
Rhus javanica var. roxburghii -->synonym

Barks and resin


幹径15cm=150mmほどでした。
高さは5m以上の成木。

ヌルデの樹脂は白い,という記述が図鑑などにありますが,時間が経過した樹脂はオレンジ色のようです。
画像は,伐採作業後の雑木林で撮影した様子です。
枝伐ちなどで大きく切られた断面,木部(xylem)と樹皮の間あたりからたくさんしみ出ているようです。
また,幹にちょっとだけ傷がついても樹脂がしみ出ているようで,かなり古い痕跡は黒ずんでいました。

ヌルデはウルシ科の中でも「かぶれにくい」とされていますが,この樹液でかぶれることもあるようです。

☆ヌルデの樹液,樹脂に関する論文(旧字体を変換してあります)
九州帝国大学 農学部学芸雑誌 第九巻第二号(昭和15年12月)
「日本産Rhus属樹種の乳液の肉眼的及顕微化学的性状について」原田盛重
※2020年1月現在,以下のurlは削除されています。元の論文をあたってください。

http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/20946/p135.pdf
↑pdfの4ページ目(p.138)の下部に,ヌルデを含む日本産ヌルデ属の樹液に関する一覧表が示されています。
これによると,成木(老茎と記されている)の樹液は,最初は淡黄色で数日後に淡黄色・淡褐色になるとのことです。

また,9ページ目(p.143)の中ほどに,かぶれる原因物質である,ウルシオール(あるいはその類似物質)の含有具合も一覧表で示されています。
これによると,ヌルデにはかぶれる要因が無いようです。

☆糖分を含む樹液がオレンジ色になる例は,ミズキに多く見られるそうです。
この現象は,カビの仲間である"Fusarium aquaeductuum"(フザリウム・アクアエドゥクトゥ)他のカビ,酵母,バクテリアによる変色だということです。
ヌルデの樹液もこのカビ類による変色なのかどうかは,不明です(調べきれず)。

↓参考にしたインターネット上のサイト:兵庫きのこ研究会 観察レポート
http://hyogo-kinoko.chicappa.jp/teiten/2014/2014_04/2014_04.html

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★樹皮に関する記事↓ ヌルデ:樹皮-01
https://trees-wild-flowers.blog.so-net.ne.jp/2011-03-17
〈了〉

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