※2015年10月に撮影した,水田植物・その3をアップします。

★千葉市内の田んぼ〈M〉
※本記事では,キクモ,キカシグサ,ミゾハコベ,ヘラオモダカの花を画像で紹介しています。




【2015年10月22日撮影】
22 Oct. 2015
キクモ
Limnophila sessiliflora

☆私が歩き回る水田にはかなり多いのですが,都会の植物仲間によると「キクモが生えているだけでも農薬使用の少なさがわかる」とか。
たしかに,キクモも生えていない水田では,性質の強い帰化植物の侵入が甚だしい。
ただし,キクモが生えすぎている水田には,希少な湿地植物は少ないように感じます。

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【2015年10月23日撮影】
23 Oct. 2015
キカシグサ
Rotala indica

☆キクモよりも個体数が多く,まさに水田「雑草」と言えます。
全体が小ぶりで数も多く「いつものメンバー」なのですが,きれいな濃いマゼンタ色の花がかわいいので,見つけると撮影したくなります。
しかし,花の大きさが1-2mmという小ささで造形も単純では無いので撮影しにくく,時間をとられます。

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【2015年10月27日撮影】
27 Oct. 2015
ミゾハコベ
Elatine triandra var. pedicellata

☆かなり小さい植物です。
画像1枚目の左側中央に,イヌシデの翼果(長さ20mm程度)が写り込んでいますので,小ささがわかります。
画像1枚目の右にキカシグサが写り込んでいます。最初は,全部キカシグサかと思ったのですが,なんとなくしゃがみ込んで見たところ,花の形,果実の形が見慣れたキカシグサとは異なっていました。
☆花は,薄い紅色の花弁が3枚,そして,よく見ると花柄がありますので,葉腋に直接くっついて開花するキカシグサとは違う植物だとわかります。
開花中も子房がよく見える点もキカシグサとは全然違いました。
☆ミズハコベ "Callitriche palustris" という,見たことの無い,希少な植物を探していた中での出会いでした。ミズハコベには出会えていません。

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【2015年10月23日,30日撮影】
23 Oct. 2015, 30 Oct. 2015
ヘラオモダカ
Alisma canaliculatum

☆葉の形状が,一瞬「サジオモダカ "Alisma plantago-aquatica L. var. orientale" 」に見えるのですが,よく見るとヘラオモダカ。しかし,ヘラオモダカにしては全体的に違和感があるので,「トウゴクヘラオモダカ "Alisma rariflorum"」を候補に挙げてみるのですが,トウゴクヘラオモダカの雄しべの葯(やく)の色は茶色系統だということで,却下されました(この個体は葯も花粉も黄色)。
図鑑やインターネット上の情報からは自分で判断できなかったので,千葉県立中央博物館にて「ヘラオモダカ」という同定をしてもらいました。
千葉市内の水田では,この,寸詰まりタイプのヘラオモダカがよく群生しているそうです。

☆私が歩き回る近所の水田にはヘラオモダカが多いのですが,10月下旬になると普通のヘラオモダカが結実も終えている中で,この小さなヘラオモダカが目立ち始めます。
画像4枚目の左から写り込んでいるのは,私の人差し指の腹(幅15mm)です。

※別記事「田んぼ植物-04」↓もご覧ください。
https://trees-wild-flowers.blog.so-net.ne.jp/2015-12-04

〈了〉